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「黒ネコのタンゴ」を子供をだっこしてリズムに合わせて歌ったりしたものです。そうした小さいときに体で覚えたものが、現在でも本の好きな、また、音楽を楽しむことにつながっているのではないかなと思います。
またあるとき、NHKのテレビろう学校で放映するため、先生と子供と私が昔遊びをしましたが、何本ものカメラにも意識することなく最後までやったことも、乳幼児のときの懐かしい思い出です。
三歳児より幼稚部に入り、年中になったころ、また、主人の転勤の話が出ました。新しい任地は栃木県の宇都宮市です。いろいろ準備があるため、一年間は、主人だけ単身赴任となりました。この問も母子ふたりで随分、心の葛藤がありましたが、幼稚部も後一年というところでこ慈愛深い校長先生はじめ、諸先生方、また、お友だちや、近所の方々と涙のお別れとなりました。
なるべく小人数の園をとのアドバイスを受けましたが、三百人ほどいるマンモス幼稚園となりました。消極的な娘にとって最初はお客さん的存在でした。しかし、温かいご理解の下、少しずつとけこむことができました。その間も、日ろうより畑喜代子先生が早速に出向いてくださり、いろいろと園に対し配慮していただいたり、また、私たちが指導を受けに宇都宮から電車で日ろうに行ったりもしました。クリ又マス会などいろいろな行事にも参加させて頂いたりと、いつも心にかけてくださり、本当に感謝の思い出いっぱいでした。
いよいよ、小学校へ入学の時期となり、私ども字都宮市内の難聴学級に入れて頂くべく準備

 

 

 

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